個別指導塾と集団指導塾の特徴とメリット・デメリットを解説。

塾・授業

みなさんは個別指導と集団指導の特徴はハッキリとわかるでしょうか?恥ずかしながら僕自身はこの業界に入る以前はこの2つの差があまり分かっていませんでした。

現在、僕は個別指導の塾で働いていますが集団指導塾とは雰囲気も対象もかなり異なるなと感じています。今回は僕の経験のもとに両者のメリット・デメリットを掘り下げ、どんな子がどちらに向いているのかを紹介していきたいと思います。

 

個別指導塾の特徴とは

まずは個別指導塾の方から説明します。個別指導塾とは、講師と生徒が1対1もしくは1対2で授業を受けるという形式の塾です。

よく勘違いされるのですが、「個別指導」といっても講師1人に対して生徒1人のマンツーマンという塾はむしろ少数派で、実際は生徒2人を1人の講師が交互に見ていくスタイルの塾が多いです。

1対2が主流な理由としては費用と人的コストを低く抑えやすいからです。講師が1人の生徒に解説している間、もう1人の生徒は問題演習をすることで時間のロスは生まれない仕組みになっています。

※たまに1対3の「個別指導塾」もありますが、全くオススメできません。単純に講師が生徒を見る時間が少なくなってしまい、生徒側も放置されて手持ち無沙汰になってしまい本当に無駄が多いです。

 

個別指導塾のメリット

個別指導塾のメリットとしては以下の3点が挙げられます。

①:学校の授業のフォローアップを受けられる

②:講師に対して質問がしやすい

③:進度や宿題の管理をしてもらえる

それぞれについて詳しく解説したいと思います。

 

①:学校の授業のフォローアップを受けられる

個別指導によく来られる生徒さんで多いのは、学校の授業についていけなかったり、学校だけでは不安だというケースです。

学校ではクラス全員に対して一律のレベルとスピードの授業が行われます。いわゆる「勉強ができる子」は先生の説明を1回聞いただけで要領がつかめてしまいますが、みんながみんな1回の説明で理解できるわけではありませんよね。

でも、学校で提供される教育というのは生徒1人1人の理解度を考慮して進めてはくれず、完全には理解できないまま次の単元に進んでしまうということが多々あります。このように、集団授業では分からない点が出てきてしまう生徒に対して、その子が分かるまで解説をしたり問題演習できるが個別指導の強みです。

また、塾には学校ごとの定期テストの過去問も蓄積されているので、学校のテストに向けて対策することもできますね。受験や内部進学などで内申が重要になる場合、個別指導塾はうってつけのフォローをしてくれます。

 

②:講師に対して質問がしやすい

僕も中学生のときには感じていたのですが、学校の先生ってちょっと怖いですよね。学校の先生は生活指導も業務内容に含まれているのでいつも怒っているイメージがあります。もちろん中には親しみやすい先生もいますが、他の生徒もいる中で授業終わりに質問するというのはかなり勇気がいることだと思います。

一方で個別指導塾ではかなり質問しやすいです。授業中は1対1や1対2の指導で距離が近いですし、講師側からも積極的に生徒の理解度をチェックすることを心掛けています。また、教室の雰囲気も(少なくとも僕が経験した塾では)和やかで、殺伐としていることはなく生徒にとっても質問しやすい環境だと思います。

このように、分からない部分があっても気軽に質問しやすいという点で個別指導塾は優れていると思います。

 

③:進度や宿題の管理をしてくれる

個別指導塾では、基本的に毎回宿題を出してやってきたかどうかをチェックしています。もちろん、集団塾でも宿題は出されますが、そこまで細かく確認しているところは少ないのではないかと思います。

自己管理は大人でも難しいですから、勉強ができる子でも自分で適切な量・レベルの問題をコンスタントにこなすというのは中々難しいと思います。

また、塾では中・長期的な学習計画をしっかりと立ててくれます。例えば志望校に合格するためには何をいつまでにマスターしている必要があるのか、現在苦手な科目や分野はどういったところかを分析し、それを克服できるように指導してくれます。

放っておくと勉強を全くしない子や、学習計画が立てられない子に対して個別指導塾は大いに助けとなります。

 

 個別指導塾のデメリット

一方で個別指導塾のデメリットとして挙げられるのは次の2点です。

①複数の科目指導には不向き

②自分で勉強できる子には得られるものが少ない

それぞれについて詳しく解説していきます。

 

①:複数の科目指導には不向き

1教科や2教科くらいなら個別指導でも十分に対応できますが、それ以上の教科数になると時間的にも料金的にも厳しいと思います。

具体的に言うと、高校生で大学受験を考えているような生徒さんの場合には個別指導だけでは難しいなと感じます。僕も指導したことがあるのですが、国公立大学を狙っているような子の場合は勉強する科目数がとにかく多いです。

例えば文系の場合なら国・英・社会2科目・理科1科目が必要なケースが多いですが、これを週1回や2回の授業でカバーするというのは正直不可能です。

必要科目数が多い場合は後に紹介する集団塾か、個別指導塾+別の学習サービスを利用するのが良いと思います。とくに最近はネット上で教育を受けられる環境が整っているので、ネットをうまく活用していくのがいいかもしれません。

 

②:自分で勉強できる子は得られるものが少ない

いわゆる「勉強ができる子」の中には自分で学習計画をしっかりと立て、間違えたところは徹底的に復習し高得点を取れる生徒さんがいます。そのような生徒さんに関して言えば、個別指導塾よりも集団授業の方が向いています

先ほども説明したように個別指導では1対2の指導が多く、こういった「できる」生徒さんは講師の解説をあまり必要としないため、放っておかれてしまうケースが多いように感じます。

もちろん、個別指導の塾の方が合っているといって通い続けてくれる生徒も多いですが、できる子にとっては知識を得るという面から見ると集団塾の方が効率が良いです。

 

集団指導塾の特徴とは

次に集団指導塾について説明します。集団指導塾とは学校のように講師が1人教壇に立ち、その説明を生徒が聞くというスタイルで授業が行われる塾です。

イメージしやすいのは東進ハイスクールのような予備校ですね。受験に特化している塾なので、質の高い授業を一律で受けることができます。

大学受験で言えば私立文系や国公立理系など、自分の志望する大学ごとにコースが分かれており、受験に必要な科目を徹底的に勉強します。

 

集団指導塾のメリット

集団塾のメリットとして挙げられるのは以下の3点です。

①全体的に講師の質が高い

②同じレベルのライバルができる

③複数の科目に対応できる

それぞれ詳しく掘り下げていきます。

 

①:全体的に講師の質が高い

集団塾や予備校にはいわゆるカリスマ講師と呼ばれる講師がいます。分かりやすいのは東進の林先生や安河内先生といった大物ですが、集団指導の講師はみんな受験のプロだと思います。

というのも、集団塾の講師は自分の授業にどれだけ生徒を集められたかで評価されるからです。自分の授業の質で給料や来年も続けられるかどうかが決まるので、講師たちは必死に教え方を工夫しています。

もちろん、個別指導塾にも高い実力を持っている講師の方はたくさんいますが、こういった講師にとっても厳しい状況を考えると全体的な質は集団塾の方が高いのではないかと思います。

 

②:同じレベルのライバルができる

集団塾では学校と同じようにクラス分けがなされます。基本的には成績や志望校を考慮してクラス分けをするので、自分と同じくらいの成績で志望校が似ているライバルが集まることになります。

自分の学生時代を思い返してもらうと分かると思いますが、同じ学校に通っていても生徒の間で学力の差は結構ありますよね。そういった状況では「俺はあいつよりは勉強できるから…」と下を見て安心しがちですが、集団塾ではそうはいきません。

毎回のテストの点もみんなに何となく知られていますし、常にライバルがいることで「もっと勉強しないとな…」と奮い立つことができます。実際僕が通っていたところでも成績の順に毎回張り出されてしまったので気が抜けなかったです…笑

 

③:複数の科目に対応できる

個別指導塾と比べて集団塾では複数の科目をカバーしやすいと言えます。どう頑張っても個別指導では講師1人に対して生徒2人しか見ることができず、人的なリソースが限られています。

一方で、集団塾では講師1人に対して生徒数十人という状況でも問題なく授業をすることができます。先ほども少し触れましたが、大学受験などで複数科目を満遍なく勉強しないといけない場合は集団形式でないと難しいです。

 

集団指導塾のデメリット

集団塾のデメリットとして挙げられるのは、以下の2点です。

①授業料が高い傾向にある

②生徒1人1人を把握しきれない

それぞれ具体的にご説明します。

 

①:授業料が高い傾向にある

集団指導塾で特に受験に力を入れているようなところは授業料が高い傾向にあります。先ほども説明したように集団塾ではカリスマ講師を呼び込み、質の高い授業を提供しているためコストがかさんでいます。

また、多くの塾でオリジナルの教材を作成しており、そういった教材を買うのにもお金がかかります。さらにプラスで春季・夏季・冬季の講習を取っていくと1年間で相当な金額がかかってしまいます

一説には親御さんは料金が高い=教育の質が良いと判断して安心する傾向があるので料金を高く設定しているとも言われています。どこまで本当かはわかりませんが、集団塾の料金表を見てみると確かに高いことが分かると思います。

 

②:生徒1人1人を把握しきれない

また、集団塾ではなかなか生徒1人1人のことを把握するのが難しいです。これは特に大規模な集団授業を提供している塾に当てはまりますが、何十人もの生徒の悩みや進路相談にまで親身になることは物理的に不可能です。

個別指導では授業中に生徒と対話することも多く、地域密着型の塾も多いので担当生徒の状態には敏感に反応しやすいですが、集団となるとそうはいきません。

授業さえ受けて後は自分の力でドンドン進むことができるといった生徒には集団塾の方が向いていると思いますが、勉強のことや進路のことで悩んだ時相談に乗ってくれる講師を求めている生徒には合わないかもしれません。

 

まとめ

個別指導塾と集団指導塾はそれぞれの長所と短所があります。ピンポイントで苦手な科目を克服したい子や、自分で勉強する習慣が整っていない子は個別指導塾の方が向いていると思います。

一方で、複数の科目を満遍なく勉強する必要がある子や、自分で勉強計画を立ててドンドン勉強できる子は集団の方が馴染みやすいと思います。

また、今回はあまり詳しく取り上げませんでしたがオンラインを活用した学習サービスを組み合わせて勉強していくことが今後の主流になっていくと思います。自分に合っている学習サービスを見つけて、志望校に絶対合格しましょう。

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