「高校に合格したはいいけど、勉強をどうやってやればいいのか分からない…」
そんな悩みを抱えている生徒さんはかなり多いと思います。
中学生までは勉強に苦労したことがなかったのに、高校の勉強にはついていけないといった方も少なくないでしょう。
大学受験を目指す場合は全国の高校生がライバルとなりますが、勉強の仕方が分かっていなければ合格を勝ち取るのは難しいです。
僕自身の受験勉強の経験と、塾講師としての目線から高校生の勉強の仕方についてお伝えしたいと思います。
高校と中学の勉強の大きな違い
まず知っておきたいのが高校と中学の違いです。中学生の時はみんなが一斉に同じ勉強をしていたのに対し、高校では文系・理系に別れ異なる勉強をすることになります。
また、受験で使う科目も複数の中から選択することができるので、同じ文系・理系でも勉強する科目が違ってきます。
このように、各科目が細かく分かれ志望大学・学部によって受験でも何を利用するかが変わってきます。中学と比べてその分専門性が高くなり、細かい知識や複雑な思考を求められるのが高校の勉強と言えます。
定期テストと受験勉強がある
また、注意したいのが定期テストと受験勉強は全くの別物だという点です。もちろん、学校で習ったことをベースに大学受験でも出題されるのですがその範囲や難易度を考えると両者は全く異質なものなのです。
例えば、定期テストでは範囲が決まっており、いわば事前に予告がされているようなテストです。範囲の知識を復習し、類題を解けるようにしておくことで点数は十分に取ることができます。この点は中学の定期テストと基本的には変わりません。
一方、大学受験においては高校学習範囲からすべて出題され、色々な分野を複合した問題が出題されることも珍しくありません。さらに国公立の場合は共通テストに加え各大学が課す2次試験の対策もすることになるため、相当な期間の準備が必要となります。
もちろん内部進学や推薦入試などで大学に進学する場合は内申点も必要となるため定期テストも軽視することはできないのですが、多くの高校生が意識するべきは大学受験(一般受験)までを見据えた受験勉強だと思います。
高校生が意識したい5つの勉強法
では、大学受験までを見据えて高校生が意識したい具体的な勉強方法は何なのかというと、この5つに集約されると思います。
①学校の授業を信用しすぎない
②単純暗記をしない
③同じ参考書を何周も繰り返す
④復習を必ず行う
⑤勉強量を可視化する
①学校の授業を信用しすぎない
学校の授業=正義という考え方は捨ててください。もちろん、教育カリキュラムに沿って学校では色々な構文や公式を教えてくれますが、それだけでは受験勉強として圧倒的に不十分なのです。
学校の授業を聞いてテスト前にちゃんと復習していれば定期テストで良い点を取ることはできます。しかし、それで本当に実力が付いているかというとそれは疑問です。
実際の入試では膨大な範囲から出題されますし、「これは○○の単元の問題ですよ」と親切に書いているわけではありません。
どのような難易度の問題が出題され、どれくらい正答率をキープしなければならないのか。そのために自分には何が足りていないのかは自分で考えていく必要があります。塾に通うにしろ、映像授業を受けるにしろ、大切なのは自分で目標を逆算して計画的に勉強していくことです。
②単純暗記をしない
入試において避けて通れないのが「暗記」です。電車に乗れば多くの高校生たちが単語帳を開いているのを見かけます。
確かに多くのことをインプットしていないと入試には太刀打ちできません。しかし、ただ頭に入れているだけでは意味がないと僕は強く感じています。
例えば、「improve」という英単語を覚える際、「improve=発展」のように名詞なのか動詞なのか意識せずに覚えている生徒さんを多く見かけます。しかし、これでは文章で出会ったときに必ずズレが生まれてしまいます。
そうではなく、「improve=~を発展させる(他動詞)」というように使い方まで覚え、「He improved his English skill.」といった簡単な例文が作れるくらいまで落とし込むのが理想的です。
数学であれば、例えば解の公式や等差数列の和の公式を丸暗記してしまうのではなく、どうやってその公式が導き出せるのかその理屈も含めて説明できるレベルにするのがよいです。
正直言ってここまでやっている生徒さんは少ないですが、例文を作れるまでになっていれば忘れることはまずないですし、「使える知識」を身に付けると応用問題にも強いです。英文読解・語句問題・英作文などあらゆる方面に対応できるレベルの知識を身に付けていきましょう。
③同じ参考書を何周も繰り返す
世の中には「ノウハウマニア」と呼ばれる人種が一定数存在します。これは参考書や情報だけを集めて「実力が付いた!」と勘違いしてしまい、全く勉強をしない人のことです。
特に最近では多くの参考書が出回っていたり、ネット上でも無料で色々な人の発信を聞くことができます。もちろんこれは良いことだと思いますが、その反面どれが良いのか分からずアレコレに手を出してしまい結局何も身につかない…という危険性が高まっているとも言えます。
僕は職業柄多くの参考書を使っていますが高校生にとっては1冊の参考書をやりこむという方法がおすすめです。ネットでの評価を参考にしたり、先生にアドバイスをもらって参考書を決めたら最低でもそれを3周はしてください。
それだけやれば定着もしますし、かなりのパターンの問題をインプットすることができると思います。次の参考書に進むのはどの問題も9割解けるというレベルになってからです。
④復習を必ず行う
当たり前ですが復習を行わないと、記憶の定着はありえません。漫画のように「瞬間記憶能力」を持っている方もいるかもしれませんが、99.9%の人がそうではないでしょう。しかし、多くの人がこの事実を忘れてしまい、記憶を定着させることにフォーカスしていないように感じます。
僕自身がやっていた記憶定着術の中でも効果があったのは「思い出し説明法」です。どういう手法なのかというと、具体的には次のようなものです。
①まずは科目を決めて勉強をする
②休憩する前に学んだことを思い出す
③お風呂に入っているときに思い出す
④寝る前に思い出す
⑤翌朝覚えているか確認する
このように、1日の中で何回も思い出すタイミングというのを決めておき、その都度学習した内容を思い返してみます。
思い出せなかったらノートや教科書をみて思い出せるようにし、他の人に説明できるレベルまで仕上げていきます。
このように頻繁に思い出すことで長期的な記憶の定着につながりますし、説明している中で「あれっ?これってどういうこと?」と気づくことで学びを深めることができます。
また、1週間、1カ月経つと人間すぐに忘れてしまうのでふとしたタイミングで覚えているかどうかの点検をしていくとさらに記憶に残りやすくなります。
これは英語や日本史といった文系科目のみならず数学などにも応用ができます。数学もある程度まではパターン化できるので、それぞれの解法を自分で説明できるくらいまで暗記してしまうというのが手っ取り早く成績を上げる方法です。
⑤勉強量を可視化する
最後に大事なことは勉強量を実際に測ってみることです。「勉強しているのに成績が伸びない」という人にありがちなのが、ダラダラ勉強していて実際に勉強している時間が非常に少ないというもの。
ちょっとドキッとした方はスマホのストップウォッチ機能で勉強時間を測ってみてください。(もちろん、休憩しているときは一時停止を忘れないこと。)
実際数字にしてみると、思った以上にYouTubeやゲームに時間を使ってしまい勉強時間が確保できていないことに気づくと思います。
そして毎日実際の勉強時間を記録してみましょう。1週間、1カ月と測っていくとあなたはいったいどれだけ勉強しているのかが浮き彫りになってきます。また、時間だけではなく実際にどれだけやったかを記録していくのも有効です。例えば今日は英文読解を2ページやったとか、数学の問題を何問解いた…などなどです。
このように自分の勉強時間・量を可視化していくと「こんなにやってなかったのか…」という焦りが生まれてきますし、やればやった分だけ「こんなに頑張れた!」というのが目に見えてわかります。
まとめ
高校での勉強は大学受験まで見据えてするのが一番良いと思います。そのためには定期テストを乗り切るだけの勉強では不十分で、正しい勉強のやり方を身に付ける必要があります。
今回紹介した5つのテクニックは僕が実際に受験勉強に苦しみながら学んだ方法ですので、成績アップに確実につながると思います。
いきなり全部取り入れるのは難しいと思いますが、気になったものからぜひ取り入れて効率的な勉強をしてください!
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