赤本はいつから?使い方とタイミングを100%お伝えします

勉強法

大学受験生なら誰もが必要とする神参考書「赤本」。冬前から取り組んで過去問の傾向に慣れるために使う人が多いと思いますが、実はそれでは不十分です

といっても学校で使い方を教えてくれるわけでもないし、どうやるのが正しい使い方なのか分からないですよね。今回は塾講師として大学受験生の指導に当たっている僕が生徒にオススメしている方法を100%お伝えします。ぜひ最後までお付き合いください。

そもそも赤本とは何なの?

赤本とは簡単に言うと各大学・学部ごとの過去問+解説がセットになった参考書です。大体3年~7年分ほどの過去問が収録されており、多くの受験生が志望大学の傾向と対策をするために取り組んでいます。

ちなみに解説は各大学の教授が書いているというわけではなく、予備校の先生などが書いています。そのため他の過去問解説(例えば青本など)と比べると解答が全然違ったり、そもそも真逆の説明を書いていたり…と絶対的なものではないという点は知っておいてください。

といっても、仮に赤本の解答を本番で書いたとしたらトップで合格するはずです。志望校に受かりたいなら必ず取り組んでほしい参考書が赤本であることは間違いありません

赤本の正しい使い方

それでは、この神教材の「赤本」をどうやって活用すればいいのでしょうか。もちろん直前に出題傾向を掴んで慣れていくという目的のためにも使用しますが、まずは次の3ポイントを意識してください

①:使用目的

②:書き込みNG

③:解説の活用

それぞれについてどういうことかをもう少し詳しく掘り下げていきたいと思います。

①:使用目的

赤本を使用する目的は次の3つがあります。

1…現状の実力の把握

2…過去問の傾向を掴む

3…本番形式の模試

まず、「赤本」は一度早い段階で取り組んでみるのをオススメします。後ほど詳しくお伝えしますが高3の1学期~夏くらいに1年度分を解いてみてください。もちろんこの段階では合格点を取れなくてかまいませんが、現状と理想のギャップがどれくらいなのかを把握することで自分に何が足りないのかが見えてきます

ギャップを把握してさらに勉強した後、今度は赤本を「分析ツール」として使います。自分の志望大学・学部にはどんな問題の傾向があるのか、それを攻略するためにはどんな勉強をすればいいのか…自分で計画を立てていく力が必要です。

最後、共通テストが終わった後の直前期には赤本を模試として活用します。時間を実際に測って取り組み、限られた時間内で合格答案が作成できるかどうか、時間配分はこれでいいのかを確かめていきます。

②:書き込みNG

基本的に赤本には書き込みをしないことをおすすめします。もう最後、これ以上解かないということが確定している段階なら書き込んでもいいですが、一度書き込みをしてしまうと次に復習ができないからです

赤本は一度解いたら終わりと思っている方も多いですが、それは完全に違います。赤本に限りませんが自分ができなかった部分はしっかり復習して、期間をおいてちゃんとできるようになっているか確認しないと意味がありません。

ちなみに僕は英語などはコピーを取ってそれをノートに張り付ける→余白に文法事項や単語の意味などを書き込むという方法で勉強していました。ちょっと面倒臭いのですべての教科で出来るわけではないですが、自分が苦手としている問題だけスクラップを作っていくと本番前に見直すのも楽になります。

③:解説の活用

最後に絶対にやってほしいのが解説を隅から隅まで読み込むということです。ただ問題を解くだけでは正直無駄で、「解答を導き出すプロセス」が身に付かなければ赤本に取り組む意味がありません

もちろん、赤本の解説も完璧ではないですが十分参考にはなります。問題を解きっぱなしにするのではなく、解説を読んで気づいた点はノートにまとめておくことをおすすめします。そうすることで表面的な解法だけでなく「問題の捉え方の本質的な部分」を理解して本番に活かすことができます。

赤本を使用するタイミング

赤本の使用方法が分かったところで、具体的なスケジューリングをしていきましょう。実際に僕が生徒に対して行なっているのは次の計画です。

①:高2~高3の春

この段階ではまだ赤本を購入しません。この時期の生徒はまだ志望校がちゃんと固まっていないことが大半だからです。それでもある程度の方向性(日東駒専レベル、GMARCHレベル、国公立文系など)は決まってきているので、そのレベルにあった問題を塾の赤本などからピックアップして解いてもらいます。

大概の生徒が撃沈しますが、例えば数学は「条件付き確率をわかっていればできる」、英語なら「分詞構文が分かっていればできる」など生徒がすでに学習している問題を1題厳選して渡しています。実際に自分が習った知識を完璧に仕上げていれば入試は戦えるということを理解してもらうためです。

生徒目線では問題の選定は難しいと思うので学校の先生や塾の先生にお願いしてギリギリ解けそうな問題を見繕ってもらうのがいいです。あくまでもこの時点では自分の目指す大学のレベル感を何となく知る、既習範囲の知識で解けることを認識するための作業ですので歯が立たなくても問題ありません

むしろこの時期では基礎を固めることを重視して勉強するべき。各単元不安なところがあるならスタディサプリで予習・復習をしていくのもかなりおすすめです。

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②:高3春~高3夏

高校3年生の春から夏までは自分の現在の実力を確認するためのツールとして赤本を利用しましょう。春休み・夏休みなど時間が作れるときに実際に1年度分でいいので問題をすべて解いてみることをオススメします。

先ほども触れましたがこの段階で問題を解けている必要はありません。ただ、自分と目標との間にどれくらいのギャップがあるのかを冷静に分析していきましょう。そのため、ただ解き終わって「全然できなかった~」と放置するのではなく、どの問題ができなかったのか、自分には何の知識が足りなかったのかを考えていきます。それを踏まえて自分なりの受験スケジュールを組み立てていきましょう。

僕の場合は数学が全然できなかったので、夏までに基礎レベルの問題をひたすら解き完全に解法を覚えつつ、同時並行で応用問題を扱う比率をどんどん増やしていきました。このように、自分の弱点を発見するための道具として赤本を使いましょう。

③:高3秋

ちゃんと勉強を続けていれば、この段階では徐々に解ける問題も増えてきます。実力がついてきたところで赤本を本格的な学習サイクルに組み込んでいきましょう。と言っても、メチャクチャ赤本に傾倒して勉強する必要はありません

僕の場合は大問ごとに細切れにして、1週間で英語なら英語すべて、数学なら数学すべてを解くというように決めていました。この段階では大問ごとの時間を意識する必要はあまりありません。英語なども考えて分からない単語や文法は辞書を使いながらでいいので、自分が受ける大学のレベルに慣れていくということを第一目標にしましょう

もちろん、過去問を解き終わったら解説をしっかりと読み込み、自分の足りていない部分を分析することはマストです。地味でつらい作業ですがこれを繰り返していくことで実力はどんどんついていきます。

➃:高3冬

いよいよ最後の仕上げです。この段階では時間をしっかりと測って、辞書なども使わずに本番同様の模試として赤本を活用していきます。今までは赤本を使って勉強をしていましたが、この時期はどちらかというと本番の練習をしているというイメージです。

1日ですべての科目を扱うのは大変なので、今日は英語、明日は世界史などと1日に1科目から始めたほうが良いと思います。もちろん、余裕がある人は1日丸々1年度分に取り組んでみると本番により近い練習をすることができます。

また、自分の点数もしっかりと出しておきましょう。配点は公表されていないことが多いので難しいですが、自分の正答数を問題数で割ってどれくらいできたかの割合を記録していくのがオススメです。より正確な得点を知りたい場合は塾や学校の先生に採点をお願いするのも1つの手だと思います。

赤本を使い終わったらやりたいこと

赤本をすべてやり切ったといってもまだまだ入試に向けてやってほしいことがあります。合格を目指すのなら次の3つはマストでやっておきましょう

①:弱点をピックアップして演習

②:過去問をさらに扱う

③:直前に最新の年度を解きなおす

まずは自分の弱点を補強することが大事です。例えば整序問題が苦手とか、ベクトルができないなど赤本を使っていくと自分の弱点が見えてくると思います。そんな時は今までに使っていた問題集に戻って、自分にニガテを徹底的につぶしていきましょう。

また、赤本を5年分ほどやっただけでは不十分だと思います。もちろん私大志望で色々な大学を同時並行的に受ける場合は何年もできないかもしれませんが、国公立志望や自分の志望校が1つに定まっている場合には10年度分を目安に解くのがいいです

昔の過去問については学校や塾の先生に聞いてみると手に入ることもありますし、東進の過去問データベースも使えます。こちらは無料で各大学の過去問を閲覧することができるので演習量を稼ぎたい時にはおすすめ。ただし、解説はあまりなかったりするのでその点は注意してください。

そして一番最後にやってほしいのが、最新年度を本番と同様に解いてみるということです。本番の時間配分はどうするのか、どの順番で解いていくのかなどなど自分なりの戦略を最終確認していきましょう。

まとめ

赤本を漫然と解くだけでは志望校に合格することは難しいです。自分と志望校のギャップを知り、問題傾向を分析し、そして本番さながらの模試として使用することで赤本は真価を発揮します。

ここに書いたことを意識しておくだけでも大分受験のイメージがつかめると思いますので、まだ受験生ではない方もしっかりと読み返して「こういう風に進めればいいのか」ということをおさえておいてください。

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