京大の法学部というとどんなイメージでしょうか。僕は(一応)そこの出身者なのですが、会う人の多くがこんな反応をしてきます。
・「すごいね!天才だね!私には絶対無理だ~」
確かに日本の中でもトップクラスの文系学部というのは間違いないと思います。でも、一部の天才だけが入れる特権学部というわけではなく、戦略をしっかりと練っていけばそこそこのポテンシャルがある方なら十分に通過することが可能だと僕は思っています。
今回は僕自身の経験をもとに京大法学部の攻略方法について語りたいと思います。「殿上人の世界」について知りたい方や、京大を目指しているという奇特な方はお付き合いください。
※今回の記事はそこそこ長いので注意してください。また、いつもの塾講師目線ではなく京大生目線で書いているので色々雑な部分がありますが気にしないでくださいまし。
そもそも京大法学部でいいのか
いきなり出鼻をくじくようですが、「そもそも京大法学部でいいのか?」という話からさせてください。京大に向いている人の条件は多分次の2つです。
・自由度が高い方がいい
・京大ブランドが欲しい
ぶっちゃけこの2つが欲しくないならどこか入りやすい法学部に行った方が良いと思います。京大法学部で一番感じたのは自由度が高いということ。また別記事で詳しく語ろうと思いますが出席もないし授業を受ける・受けないということから自分で選ぶことができます。
また、ゼミに入りたくないというぼっち気質の人にもおすすめです。余分に単位を取る必要はありますが、通常の授業だけで論文を書くこともなく卒業できるというメリットがあります。
ちなみに法学に興味がない人が入っても何とかなります。実際に僕自身はほとんど法律について勉強することなく卒業することができました。政治学、最高です。
そして何より、「オラどうにがして京大に行ぎてぇ」という方じゃないと微妙かなと思います。偏差値や世間受けだけなら東大の方が高いですし、ずっと出世できる可能性もあるような気がします。将来のことを考えると、ちょっと変わった人たちの中で大学生活を送って「オラオラァ!俺は京大生なんだぜ~どうだ、変人だろうがい?」と自慢してみたいという方以外にはオススメできません。
後述しますが京大に受かるための勉強方法は決して楽ではありません。1日10時間ほどは勉強時間を確保してほしいですし、いかに戦略立てて勉強を行うかを自分で考えないといけませんので正直面倒です。コスパ悪いと思います。それでも「俺は京大にどうしてもいきてぇんだよぉ…」という方は具体的な戦略をお伝えしていきますので読み進めてください。
京大法学部の配点について
さて、ここからはそんな京大アホー学部に入ってみたいという方に向けて僕がとっていた戦略を真面目にお伝えしたいと思います。まずは京都大学の配点からわかることをサラッと分析しておきましょう。
・英語:150点
・数学:150点
・国語:150点
・社会:50点
文系学部のくせに数学の配点が高すぎるのがアホかと思うんですが、「法学部目指すんだから数学ぐらいできて当たり前ですよね?(煽り)」という意図かなと思っています。
ここからわかることは数学ができないと絶対に合格不可能ということです。文系志望だと基本的に英語と社会はできるので差は付きませんし、国語は後述しますが高得点が望めない仕様となっています。
僕のブログを熱心に読んでくれている方もおそらく英語と社会はまずまずではないかと思いますので、入試において肝となる数学と国語の倒し方を詳しく語りたいと思います。
京大法学部入試における数学の倒し方
数学においてはかつてはいわゆる「京大らしい」三回転半くらい捻った問題が多く出題されていましたが、最近は割とオーソドックスな問題の延長線上にあるような問題が多く出題されているようです。
よって、もはやいわゆる本質を理解し難問に対してどのようにアプローチをしていくかという側面は段々と削られており、参考書レベルで言う標準~発展内容を1つずつ潰していきその考え方をマスターしておくというのが一番大事だと僕は考えています。
これは宣伝でもなくただ事実を書いているだけなのですが、僕自身浪人してからは河合塾のテキストしか使っていません。ひたすら河合のテキストを解き、その考え方をマスターしただけですが本番では3完+αくらいの点数(大体90点くらい)を取ることができました。ぶっちゃけ河合のテキストでなくとも市販教材で十分このくらいの点数を取ることができると思います。
具体的な数学の勉強方法
もう少し具体的な数学の勉強方法について掘り下げておくと、次のような流れでやるのが良いと思います。
①:基本と発展を8:2でやる
②:発展編の比重を上げていく
③:基本編は夏までに卒業
④:常に「なぜ?」を考えて1人授業
※数学に関しては最近のテキスト事情はあまり詳しくないので、具体的な参考書名の明言は避けておきますが、進め方に関しては参考になるかと思います。
まずは基本問題を完璧にしていくことを目指します。具体的に僕自身は基本的な問題を5周くらいして完璧に解けるようにしていきました。また、京大の問題は基本だけでは流石に勝てないので同時に発展問題・応用問題の練習も取り入れていくことはマストです。具体的には基礎:発展=8:2くらいから始めてどんどん基礎か発展の比重を上げていくという意識で勉強していきましょう。
※もちろん基礎が完璧な人はこの段階はスキップしても大丈夫ですが、基礎が完璧=センター試験9割くらいだと思ってください。
僕の中では基礎問題=ほぼインプット、発展問題=ほぼアウトプットという認識です。基礎問題に関しては分からないからといって悩むのは無駄ですので、解けないならさっさと解答を見て解法を確認→それを再現してマスターするという勉強が効率がいいです。一方の発展問題は入試本番を意識して初見の問題なら30分~1時間くらいは考えて取り組んでみるのがいいと思います。
また、数学の勉強においては「1人授業」が超便利だと思います。数学の問題を解きながらあたかも生徒に向けて説明するように解説していくという勉強法です。図書館やスタバなどでやると変人ムーブが過ぎるので敬遠されるというデメリットがありますが、自分の言葉で解法や考え方を言語化することで超記憶に残り、理解できていないことが浮き彫りになってきます。
僕自身もそうでしたが、数学が苦手な人は①そもそも解法のインストールができていない、②アウトプットができていない、③もっと言えば十分に言語化できる段階に落とし込められていないという3つの原因があると思っています。ぜひ上で紹介した勉強方法で進めてみてください。結構すべて書き尽くしたと思いますので、分からなかったら読み返してしっかり理解をお願いします。
京大法学部入試における国語の倒し方
多分ここを読んでいる皆さんはご存知だと思いますが、京大の文系国語は点数が取れないのがデフォです。僕自身は京大オープンで国語21位(文系約1,000人中)まで取りましたが、本番では6割くらいしか取れませんでした。
ぶっちゃけ合格するためには5割を目指しておけばいいので、今回は合格点を取るための戦略と勉強方法についてお伝えしたいと思います。
まず点数を取るための大事な考え方は要素を盛り込むということです。当たり前ですがいかに京大国語といっても加点の基準があります。「○○が書いてあったら何点、◇◇が書いてあれば何点…」といった具合で採点されているはずです。自分で回答を作成する際には要素を発見して複数の要素を盛り込む意識を持つことが超大事です。同じ要素を盛り込んでも加点にはならないのでダブりがないかは注意しましょう。
また、僕的には本文中の言葉を利用しまくるという意識が大事だと思っています。もちろん言語なので自分で言い換えてもいいのですが18歳くらいで自由自在に言葉を操れる人はいません。いるとしたら京大なんて行かずに作家を目指した方がいいです。
よく予備校や参考書の模範解答には素晴らしい解答が載っていますが、あれはプロが時間をかけまくって書いているので本番での再現性はほぼ無いですよね?制限時間内に合格点を取るためには本文中の言葉を切り貼りして(不自然なところだけ変えて)要素を盛り込むというのが現実的な戦略となってきます。
「そんなんで天下の京大に太刀打ちできるんですか…?」と思うかもしれませんが、実際それで受かります。特に国語は難しく考えてしまい解答がズレていく人が多い気がしますが、ただのゲームだと思ってください。どれだけ要素を本文中の言葉を使ってできるだけ自然に盛り込めるかのゲームです。
古文に関しては上記の考え方に加えて和訳の力を磨いておくのが大事。特に主語と目的語を補って訳すことと、和歌の訳し方に慣れておけば十分でしょう。説明問題ももちろんありますがそれも結局は和訳ベースなので基本的な単語・文法を押さえて訳せるようになっておけばOKです。
具体的な国語の勉強方法
では、具体的な勉強方法に入りますが実際に次の3ポイントしか僕はやっていません。
①:記述形式の参考書を1冊やる
②:過去問やオープンの問題を解く
③:古文の勉強をフツーにする
まず、基本的な現代文の知識は必須です。例えば「全レベル問題集レベル⑥」といったような記述に特化しておりかつ解説が豊富なものを選ぶようにしてください。1冊やり終えて「説明しなさい」というタイプの書き方、「理由を答えなさい」というタイプの書き方などよく出てくる形式の答え方をマスターしてもらえればと思います。
一般的な文系受験ならこのまま勉強を進めていけばいいのですが、京大に関しては他の大学の形式の問題を解いていてもあまり意味がないように感じます。というのも京大は解答欄が鬼のように広いため、当然要素も多くなり記述量が段違いだからです。時間内に要素を盛り込む練習として過去問やオープンなどの京大形式の問題を進めていく必要があります。
といっても毎日1問解くなどのペースでやる必要はありません。僕自身は3日に1問くらいのペースで大問を1つ解くということをやっていました。最初は時間を計る必要はありませんが、秋くらいからは時間を計って徐々に本番に意識を向けていきましょう。
勉強というよりもひたすら書く練習=アウトプットをしていくというイメージです。先ほども触れましたが国語の記述の場合、いかに文中の言葉を利用して要素を盛り込むことができるかが大事。その練習をひたすらしていきましょう。
古文については一般的な勉強をした後に過去問を解いて記述の仕方を練習すれば十分です。一般的な勉強方法については次の記事で詳しく紹介しているので参考にしてみてください。
まとめ
京大法学部に入ることはコスト面からはおすすめできませんが、そもそも京大に入るやつはそこら辺の感覚がぶっ飛んでいるような気もします。得られるものはまあ色々ありますし(多分…)、僕自身は後悔してはいません。
具体的な戦略としては数学と国語でいかに差をつけるかだと思っています。ちょっと抽象的な部分もあって分かりにくいかもしれませんがエッセンスはこの記事ですべてお伝えしたはずです。何回も読んで落とし込んでもらえると報われます。
色々と後ろ向きなことも言いましたがあなたの勉強を応援しています。戦略的に京大を突破して周りに自慢しましょう。
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