古文を勉強していくと敬語が重要だと分かってくると思います。そしてさらに勉強していると「給ふ」が謙譲語なのか尊敬語なのかで迷う場面が出てくるはずです。
謙譲の「給ふ」はあまり見かけないので入試で出てきたときに引っ掛かってしまうことが多いですし、今まで教えてきた生徒の中にも忘れてしまっている子はたくさんいました。逆に言えば周りと差を付けやすい問題なんです。
今回紹介する識別方法をしっかりと押さえて、「給ふ」については不安をなくしておきましょう。
「給ふ」は2種類ある
まずは2種類の「給ふ」について整理しておきましょう。それは尊敬語の「給ふ」と謙譲語の「給ふ」です。
尊敬語の「給ふ」には本動詞と補助動詞があり、本動詞は「お与えになる」という意味で補助動詞の方は「~なさる」という意味です。本動詞と補助動詞の違いが分からない方は別記事でも紹介しているのでぜひ参考にしてください。
>>【古文】敬語の本動詞と補助動詞の識別方法まとめ【完全版】
さて、古文の問題を扱っていると体感95%くらいが尊敬の意味ですが、中には謙譲語の「給ふ」も存在します。謙譲語の意味は「~させていただく、~ます」いったように訳します。
※謙譲語の「給う」は現代語にあまり当てはまるものがないので、丁寧のように訳しておけばOKです。
以上が2種類の「給ふ」の意味です。次にこれらをどのように見分けることができるのか具体的な方法をご紹介します。
「給ふ」の尊敬語と謙譲語の見分け方
尊敬語と謙譲語の識別方法として1番有効なのは活用の仕方を見分けるということです。まずは2つの「給ふ」について活用の仕方をチェックしておきましょう。
特に注目しておいてほしいのは、下二段活用の連体形の「ふる」や已然形の「ふれ」という音です。これらが出てきたら何も考えず謙譲語だと判断できるようにしましょう。
「給ふ」という言葉が問題になっていたらまずは活用をチェックする意識を持つようにしてください。四段と下二段それぞれの活用をしっかり覚えていれば判別は難しくないはずです。
下二段活用の「給ふ」の注意点
今まで紹介した通り2つの「給ふ」の識別は活用を覚えておけばいいのですが、下二段活用の謙譲語「給ふ」については知っておいてほしいことがあります。
それは、必ず会話文や手紙の中で用いられ話し手自身の動作に付くということです。つまり地の文(鍵カッコ以外の部分)に書かれている「給ふ」は高確率で尊敬語ということです。
そもそも謙譲語の「給ふ」というのは直接的に話し手自身の動作をへりくだるためのものです。これがややこしい点なのですが、他の「申す」や「聞こゆ」などの謙譲語は相手に向かっての敬意を表すものなのに対して、「給ふ」は働きが微妙に違うということです。
要するに、受験生は次のように覚えておけばOKです。
「申す」や「聞こゆ」などの謙譲語
→相手がいて、その相手に対する動作に使われる
謙譲語の「給ふ」
→相手に投げかけるものではない、自分自身で完結する動作に使う
より具体的には謙譲語の「給ふ」は「思う」・「見る」・「聞く」・「知る」にしか付きません。この4つはどれも相手に対してではなく自分1人で完結しているものですよね。
謙譲語の「給ふ」についてはどうしても学習が薄くなりがちなのでここでしっかりと覚えておきましょう。
まとめ
尊敬と謙譲の「給ふ」の識別するためには活用を覚えてそれを見分けましょう。特に「給ふる」や「給ふれ」という形が出てきたら100%謙譲語であるということも大事なルールです。
また、謙譲語の「給ふ」については会話文や手紙の中で用いられ話し手自身で完結する動作にしか付かないという点は覚えておきましょう。具体的に「思う」・「見る」・「聞く」・「知る」にしか付かないと覚えてしまってもOKです。
古文の勉強法がそもそも分からないという方はコチラの記事で解説していますのでよかったら参考にしてみてください。
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