最近書店でも何かと見かけることが多くなったポラリスシリーズ。
僕自身も塾で生徒たちにおすすめしており、一言で言えば自習用の教材としてもよくできた作りになっていると思います。
実際に僕もポラリス古文は1と2を(自腹で)購入し、すべての問題に取り組んでみました。今回は実際に使ってみた感想や評価、効果的な使い方をお伝えします。
ポラリス古文1・2とは?
ポラリスシリーズとは英語の関先生をはじめとしてスタディサプリの講師陣たちが手掛けた参考書のことです。
ポラリス古文は岡本梨奈先生が監修し、分かりやすい解説と豊富な問題によって多くの受験生の支持を得ています。うちの塾でもそうですが最近は多くの塾でも使用している教材になってきています。
ポラリス古文は1と2に分かれており、1が「基礎レベル」で2が「標準レベル」となっています。具体的にどのような大学を対象としているかと言うと、次のようになります。
- ポラリス1…基本的な問題、レベル設定なし
- ポラリス2…日東駒専・産近甲龍・中堅私大(成城・成蹊・愛知・西南大学)
個人的には表紙のイラストやレイアウトがかなり今っぽくて可愛らしく、他の参考書と比べても思わず手に取ってみたくなる作りだと思っています。
ポラリス古文の実際の評価
問題量:☆☆☆☆
難易度:☆☆☆
解説:☆☆☆☆☆
付録:☆☆☆
値段:☆☆☆
実際にポラリスを5点満点で評価すると上のようになります。
問題量は1・2ともに14題収録されており標準~やや多い問題集だと言え、難易度は基礎~標準に適したものになっていると思います。
ポラリス古文で特筆すべきなのは解説の分かりやすさ。国語の問題集は解説が微妙なものも多いですが、ポラリスは背景知識、頻出問題、品詞分解なども詳しく書いてくれているのである程度実力があれば1人で学習することも十分にできる教材に仕上がっています。
付録は敬語動詞の本動詞・補助動詞の見分け方、和歌の修辞法をまとめてくれていますがこれは本当にオマケという感じです。値段も1冊1,400円+税と一般的な参考書と同じくらいだと思います。
ポラリス古文の悪い点
基本的に使いやすい教材でいいのですが、GMARCHや関関同立以上の大学を狙う方にとってはこれは不十分な内容だと思います。実際に僕自身も色々な大学の国語を解いているのですが、GMARCHレベルになるとまた1段階上の演習が必要です。
また、私大形式に準拠している参考書なので国公立などの記述対策にも向きません。あくまでも基礎力をつけていくための参考書と割り切って取り組んでいくのが良いです。
更に強いて言えば「問題は順番に解いていくことで実力が積み重ねられるように設計している」というようなことが書かれていますが、実際のレベルはまちまちだと僕は感じました。といっても1冊をやり抜けば十分な基礎力を身に付けることができます。
ポラリス古文の効果的な使い方
古文文法と古文単語を習得し、ある程度古文の読解に慣れてきたらポラリス1→ポラリス2の順番で進めていきましょう。
先ほども述べてきましたが解説がとてもしっかりしているので問題を解いて終わりではなく、なぜそうなるのかや背景の知識なども含めて習得する意識を持って解説を読み込むことが大事です。
また、品詞分解や現代語訳もちゃんとしているので一度解いた問題で文章がそこまで長くないものは自分の力で全訳をする→答えと照らし合わせるといったことをするとさらに力が付くと思います。
時期としては高2の終わり~高3の初めくらいの出来るだけ早いうちに終えるのがベストで、そのあとは志望に応じて記述対策ができる問題集やより高いレベルの私大にフォーカスした問題集に取り組んでいくのが勝ちパターンだと思います。
ポラリス古文の次はどの参考書に進む?
ポラリス古文1・2は基礎を固めて日東駒専レベルまで対応することはできますが、それ以上のレベルを目指すにはどうすればいいのでしょうか。
僕が実際に塾で使っていておすすめできるのは『「有名」私大古文演習』と『日東駒専・関関同立の古文』です。
どちらも一応は日東駒専レベルと書いてありますが、前者はGMARCHレベルまで収録されており後者は同じレベル感の問題が多くそろっています。演習量を積みながら実際の入試問題に通用する力を磨いていくのが良いですね。
また、『全レベル問題集3・4』もおすすめの参考書です。ちょうどポラリス1から入って全レベル3に進むとより効果的に勉強できると思います。
>>全レベル問題集古文3の評価と効果的な使い方をレビューしてみた。
まとめ
ポラリス古文1・2はある程度古文知識を身に付けた人が入試レベルに慣れていくためには最適な参考書です。豊富な解説もあるのでしっかりと読み込んで自分のものにすれば相当な力が付くでしょう。
一方で日東駒専レベルを受けるにしても、GMARCHレベル以上を目指すにしてもより演習が必要になるのはまちがいなくこの1冊で入試全てをカバーできるかというわけではありません。必要に応じて次のレベルの参考書に進んでいきましょう。
コメント