受験生御用達の「読んでみて覚える重要古文単語315」。私自身教えている多くの生徒さんが使用しているのを見かけます。カラーでイラストと例文がしっかり掲載されていて視覚的にも覚えやすい良い単語帳ですよね。
ただ、「本当にこれだけで足りるの…?」と不安に思う生徒さんも多いようです。実際のところ、これを1冊しっかりやりこめば十分受験で闘えます。と言うよりこれ1冊を仕上げれば単語で他の受験生に負けることはないでしょう。その根拠も含めて詳しく説明していきます。
「重要古文単語315」とは?
「読んでみて覚える重要古文単語315」とは、桐原書店から出版されている古文単語帳です。価格は820円+税ですので約1,000円ほど。手に取りやすい価格の参考書だと思います。
初版は2004年とのことですのでもう20年ほど受験業界で使われている定番参考書と言えます。黒と赤の2色刷りでカラー感はあまりありませんが読みにくさや古臭さは感じません。
本屋の参考書コーナーに行けば今でも平積みされているのを見かけ、多くの生徒や教育関係者から評価されている古文単語帳だと思います。
「重要古文単語315」が十分である根拠
僕が思う「古文単語315」が足りないわけがない理由は次の3つです。
①:実際は315単語より多いから
②:他の単語帳よりむしろ多い
③:和歌や背景知識もカバーしているから
どういうことなのか詳しく説明していきたいと思います。
①:実際は315単語より多い
実はこの単語帳は実際は315個以上の単語を収録しています。正確に言うと、基本的な単語が315個、関連する語句が203個、そして慣用句が90個と合計608単語を収録しているんです。
最初これに気づいた時は「逆タイトル詐欺じゃん」と思いましたが、これ1冊で十分すぎるほどの語句をカバーできています。
受験においては昔から「古文は300~500程度の単語を覚えておけば十分」と言われたりしますが、「重要古文単語315」をしっかりやりこめば600個の単語を覚えられるということですね。正直、これ以上の語を覚える必要はありません。
②:他の単語帳よりむしろ多い
次に他の単語帳と比べても収録単語には遜色がないということが挙げられます。
例えば受験でよく使われる「マドンナ古文単語」が230語を収録と少し少なめ、「ゴロゴ」は600語を収録、「古文単語330」はその名の通り330語を収録しているという状況です。
もちろん、世の中に古文単語帳は数多くありますがそれらと比べても「古文単語315」の収録単語数は608語とかなり多く足りないということは絶対にないです。
重要な基本単語だけに絞っても315単語は収録されているのであまり古文に力を入れられないという方でも大事なところだけ勉強するといった使い方も可能です。
③:和歌や背景知識もカバーしている
また、この単語帳でいいと思うのは和歌の修辞法や背景知識までカバーしているということです。古文では対策が手薄になりがちな和歌と背景知識ですが、少し知っておくだけで得点に直結するというものがいくつかあります。
例えば、和歌で言えば「掛詞」・「枕詞」・「序詞」などは最低限押さえておきたいところ。背景知識で言えば「月の異名」・「時刻や方位の表し方」・「当時の恋愛観や死生観」などです。
こういった知識を知っているか知らないかで本番の点数にも影響するので、単語帳に収録されているのは素晴らしいと思います。暇なときにパラパラとめくって覚えていくだけで他の受験生と差を付けることができるでしょう。
「重要古文単語315」の使い方・覚え方
では、実際にどのようにこの単語帳を使えばいいのか、僕なりにオススメの方法をお伝えします。初心者の方は次の順で学習を進めるのが良いと思います。
①:見出し語315個を覚える
②:慣用句を覚える
③:関連語を覚える
➃:背景知識などを覚える
まず、315個の基本単語を覚えていきましょう。イラストと例文があるので各単語のイメージをしながら覚えていくことが重要です。いきなり315個を覚えるというよりも一度に50個くらいずつに区切って覚えることをオススメします。
次に慣用句90個を覚えていきましょう。こちらも基本単語と同じ要領で分割して頭に入れていくのが良いでしょう。単語を覚える際は絶対に例文とセットで覚えるようにしてください。
ちなみにこのときに例文を音読しながら覚えるのが最強だと思います。実際に音読することで、どこで区切ればいいのか、本当に単語の意味や文法はわかっているのかが明確になるからです。音読学習のやり方については次の記事でも詳しく紹介しているので参考にしてください。
そして基本単語と慣用句を大体覚えたらもう1周しながら関連語も覚えていけるとよいです。ここまでマスターすれば単語が足りないということはあり得ません。ちなみに理系の方など古文に時間をあまりかけられない人は関連語は飛ばしてしまってもOK。最後に暇な時間に和歌や背景知識の勉強をしてくれれば十分です。
まとめ
「重要古文単語315」が受験に足りないということはありません。他の単語帳と比べてもむしろボリュームとしては多く、イメージしやすいカラーのイラストと例文がしっかりとついているのでおすすめの単語帳です。
まずは基本的な単語と慣用句を覚えてしまい、さらに余裕がある人は関連語まで頭に入れておけば入試で困ることはありません。むしろ他の受験生に差を付けることができるので、この1冊を完璧に仕上げていきましょう。
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