【古文】「し」の 識別は4パターンでOK!現役塾講師が徹底解説してみた。

古文

受験生が必ず身に付けておかないといけない古文の識別問題。

最初は難しいと感じるかもしれませんが、実際覚えるべきパターンは少ないので確実に得点を伸ばせる部分です。

今回は「し」の識別について現役塾講師の僕が分かりやすくお伝えします。識別が全く分からないという方や不安を感じている方はぜひ最後まで読んでください。

 

「し」の種類は全部で4つだけ

入試問題に出てくる「し」の種類は実は4パターンしかありません。まずはどんなものがあるのかをしっかりと頭に入れておきましょう。

 

①:過去の助動詞「し」の見分け方

まずは「し」が過去の助動詞「き」の活用形という場合を見ていきましょう。

過去の助動詞「き」は「せ / 〇 / き / / しか / 〇」と活用し連用形に接続します。まずは活用と接続は完璧にしておきましょう。また、過去の助動詞の場合「し」は連体形ということにも注目しましょう。

つまり、見分け方としては以下のようにまとめることができます。

「し」の前が連用形もしくは「し」の後が体言→過去の助動詞

このタイプは文章の中でもよく見かけるはずです。確実におさえていきましょう。

※余力がある人は過去の助動詞「き」はカ変とサ変には未然形に接続するということも知っておきましょう。カ変にくっつくと「来し(こし)」となりサ変に付くと「せし」となります。ややこしいですがどちらも未然形です。

 

②:強意の副助詞「し」の見分け方

強意の副助詞「し」は意味を強めたり語調を整えたりする働きがあります。この場合、体言や助詞などいろいろなものにくっついてしまうので接続から判断するのはちょっと難しいです。

ただ、一番簡単な見分け方として「し」を抜いてみて意味が変化しなければ強意の副助詞と判断するというものがあります。例えば次の文章を見てください。

・名に負はばいざこと問はむ都鳥

→(都という)名前がふさわしいとしたら、さあ問いかけよう都鳥よ

在原業平の有名な句です。和歌なので意味はちょっと取りにくいかもしれませんが、ここで「名に負はば」としても別に意味は変わらないですよね。

このように強意の副助詞の場合「し」を抜いても意味に変化が起こりません。訳出するときも考慮しなくて大丈夫です。見たことがなかった人はしっかり覚えておきましょう。

 

③:サ変動詞の一部「し」の見分け方

次に覚えておきたいのは「し」がサ変動詞の一部というケースです。

まず、サ変動詞は「す」と「おはす」、後は「具す」や「往生す」などの動詞があるということをしっかり覚えておきましょう。

見分け方としては、「~する」と訳せる場合はサ変動詞と判断してください。ただし、「おはす」はいらっしゃると訳す点には注意です。イマイチ動詞として訳してもいいのか分からないという場合は品詞分解をしてみると分かりやすくなると思います。

・人のもとにやらむとしける文あり

→人 / の / もと / に / やら / む / と / / ける / 文 / あり

→ある人のもとに送ろうとた手紙があった

このように文節によって区切っていくと、動詞として取るしか文が成立しないと分かります。品詞分解は古文の力を上げるのにはうってつけの方法なので苦手な方はぜひ勉強に取り入れてください。

 

④:その他の語の一部「し」の見分け方

あとは、他の言葉の一部に「し」が含まれてややこしい場合があります。一番出てくるパターンとしては形容詞の一部があります。形容詞はそもそも「うつくし」や「らうたし」と言ったように文末に「し」が出てきますよね。

こちらは古文単語をしっかりと覚えていれば普通に候補から外すことができると思います。自分が持っている単語帳に出てくる単語の意味は速めに覚えてしまいましょう。

 

まとめ

古文の「し」の識別で覚えておかないといけないパターンは4つしかありません。しかも、慣れてくると何も考えずに識別できるようになるくらい簡単です。

過去の助動詞、強意の副助詞、そしてサ変動詞の一部の見分け方は特に覚えて使いこなせるようにしておきましょう。入試でも識別は必ず問われます。早めにマスターして読解力を磨いていきましょう。

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