【早稲田社会科学部】国語の難易度・傾向・対策を1から教えます。

古文

早稲田の社会科学部(通称社学)は文系学生の中でも人気の学部。学校のランクもさることながら、「社会学」という文系人気の科目を学ぶことができるため、志望者が増えています。

実際に教えている生徒の中でも、早稲田社学を目指すという方は多いです。今回はその早稲田社会学部の国語がどれくらいの難易度か、配点から見える戦略、そしてどうやって勉強していくべきかといった対策をお伝えします。

早稲田社会科学部の国語の傾向と難易度

早稲田社学の国語は大問2つで構成されており、第一問が評論文で第二問が現古漢の融合問題となっています。

やはり特徴的なのは現古漢の融合問題ですが、第一問も侮れません。1つ1つ詳しく解説していきます。

第一問の傾向と難易度

早稲田社会学部の国語、第一問では人文科学系の文章が出題されることが多いです。内容は哲学から社会学、芸術論など多岐に渡り全体的に硬質な文章が出題されます。そのため、幅広い知識がないと読解にてこずってしまうでしょう。

具体的にはカント・ヘーゲルなどの哲学者や芸術と労働といったテーマなどが近年でも出題されており難易度は高め。普段から文章を読解する練習を積まないと圧倒されてしまうと思います。

問題の傾向は傍線部の説明問題、傍線部の理由を聞く問題がほとんどであり、硬めの文章をしっかりと読解し筆者は何を言いたいのかを理解していく必要があります。

また、よくある問題のように傍線部の前後だけを見ていればいいというわけではなく、解答の根拠が文章のあちこちに散りばめられています。そのため文章全体から筆者の主張をしっかり探す練習をしないと太刀打ちできません。

第二問の傾向と難易度

第二問は現代文と古文・漢文の融合問題です。いわゆる鑑賞文のような文章が出題されます。あまり他の大学では聞かれることのない形式ですので、受験前には過去問にしっかり取り組み、融合問題の形式に慣れておく必要があります。

問題を解くためには基本的な古文・漢文の知識が必要です。古文なら古文単語・文法・背景知識をしっかりと理解しておくこと、漢文なら句法と漢字の意味を身に付けておきましょう。

特に漢文を問われる大学は少ないのでしっかり勉強する必要がありますが、古文・漢文だけを考えるとそこまで難しいものは求められていません。共通テストレベルの知識でも解ける問題はいくつもあります。

ただ、厄介なのが現代文との融合問題という点です。古文や漢文を引用してそれに対して筆者が解釈を加えるという文章構成になっていますが、原文と現代語の解釈の対応関係を追いかけないと解けない部分があります。

つまり、原文だけ直訳して自分の解く部分と現代文と照らし合わせて解く部分が入り混じった構成になっているのです。この点に関しては何度も過去問を解いて解き方を身体に染み込ませるしかありません。

漢文パートに対してどのような勉強をしていけばいいのかは後ほど詳しくお伝えします。

早稲田社会学部の国語の配点

早稲田社学の配点は以下の通りです。数学・地歴に関しては得点の調整があります。

国語…40点

・英語…50点

・数学/地歴…40点

英語の配点が若干高いですが、3科目はほぼ均一の配点。国語は受験者平均点ですら25~30点となっているので合格するためには7割~7割5分程度の点数が必要になる見込みです。問題数はそこまで多くないため一問あたりの配点が大きいと予想され、小さなミスが致命傷となってしまうと思います。

問題ごとの細かい配点は残念ながら公開されていませんので不明です。自分で採点するときは(正答数)/(問題数)×100%をしてどれくらいのパーセント得点できたのかを考えると良いです。

早稲田社会学部の国語の対策

早稲田社学の国語対策としてやっておきたいことは、次の3点に集約されます。

①:文章の構造の勉強をする

②:基本知識を身に付ける

③:とにかく過去問を分析する

それぞれどういうことなのかを詳しく紹介していきます。

①:文章の構造の勉強をする

現古漢の融合型問題が出題されるとはいえ、早稲田社会学部の国語において大事なのは現代文の読解力です。そして文脈を読み解く力を身に付けるためには、文章の構造を知ることが必要不可欠です。

ここで言っている文章の構造とは筆者の主張はどこにあるのか見つけること、具体部分と抽象部分の読み分けをすること、接続詞のつながりに注意することなど、内容ではなく文章というものがどうやって成り立っているかに関する知識のことです。

この文章構造を知っているか知らないかで大きく読解には差が出ると思っています。なぜなら評論文は論理的に書かれている以上、ある一定の型=構造があるからです。文章の構造を見抜くことができれば安定して高得点を取ることができます

このことに関しては次の記事でもっと詳しくまとめているので、気になる方は参考にしてみてください。

>>現代文が得意な人の特徴はコレ。地頭がいいって本当なの?

②:基本知識を身に付ける

早稲田社学の国語において文章の構造と共に大事なのは現代文・古文・漢文の基本的な知識を身に付けることです。

現代文で言えばよくテーマとなる用語、古文では古文単語と文法・背景知識、そして漢文では句法と漢字の意味が必須です。

高校生ならまだ余裕がある高2~高3の夏前までにある程度知識面を固めてしまうのが大事です。特に古文単語は300個ほど覚える必要がありますし、漢文も後回しになってしまいがち。早め早めに取り掛かるようにしてください。

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③:とにかく過去問を分析する

また、どの大学・学部にも共通して言えるのが、過去問の傾向を分析して対応できるようにするということです。ゴールは志望校の問題で合格点を取るということなので、最終的に何が必要かを見極め、どのように勉強すればいいのか戦略を立てていくことが必要です

先ほども紹介しましたが早稲田社会学部の国語は第一問が人文科学系の現代文読解、第二問が現古漢の融合問題です。これくらいの難易度の文章が出て、どういう設問形式で聞かれて、何分で解かないといけなくて…などなど実際に解いて見えてくるものはたくさんあるはずです。

>>赤本はいつから?使い方とタイミングを100%お伝えします

まずは自分でも一度問題を解いて、自分なりに分析した情報をノートにまとめていくといいでしょう。「自分で分析するなんて無理…」という方には、早稲田社会学部の問題へどうアプローチすればいいのか詳細な講座を現在準備中ですので楽しみにしておいてください

早稲田社会学部の漢文はどう対策すればいい?

よく生徒からも聞かれる質問として、社学の漢文対策をどうすればいいのか、どれくらい力を入れてやればいいのかというものがあります。

結論から言うと、漢文対策にそこまで力を入れる必要はありません。共通テストレベルで8割ほど安定して取れるだけの実力があれば十分です。

というのも、純粋に漢文として聞かれる問題はかなり少なく、大体1~3問しかないからです。

東大や文学部を受験する場合は漢文に力を入れて勉強する必要もあると思いますが、私立専願や押さえとして受ける場合はそこまで力を入れず、英語など他の科目に勉強時間を回してください。

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まとめ

早稲田社学の問題は評論文だけではなく現古漢の融合問題が出題され、しかも受験者の平均点が6割~7割5分と高水準です。そのため、合格するためには安定して高得点を取る必要があります。

ただ、解答根拠も離れていたり、現代文と古文・漢文のつながりを追いかけないと解けない問題もあり、難易度はかなり高いでしょう。

対策としてまずやっておきたいのは、文章の読み方と基本的な知識を身に付けるということ、過去問を実際に分析してみて肌感覚としてどういう傾向なのかを早めにつかんでおくということです。自分で戦略を立てて、どう攻略するかを練っていってください。

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